ここしばらく、本の修復に着手しておりました。
修復本に関しては嫌がる方もおられるかと思いますが、個人的には、表紙の破れなどを極力修復することによって少しでも長く読み継いで貰えれば…、との観点から、傷みが激しい本に関してのみ修復作業を行っております。
![](https://static.wixstatic.com/media/1088f4_0eb91cbe14804db7960e4d69e4534015~mv2.jpg/v1/fill/w_147,h_98,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/1088f4_0eb91cbe14804db7960e4d69e4534015~mv2.jpg)
今回修復を施した中の1冊が、こちらの「ごんぎつね」。
本のページなどはとても綺麗な状態だったのですが、カバーの損傷が激しく、大小あわせて4か所ほど破れが…。
更に、破れた部分が折れ曲がってしまっていました。
![](https://static.wixstatic.com/media/1088f4_0424c627a6bc471496418e9d50e046c5~mv2.jpg/v1/fill/w_147,h_83,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/1088f4_0424c627a6bc471496418e9d50e046c5~mv2.jpg)
カバー表から見た状態(修復前)↑
カバー裏から見た状態(修復前)↓
![](https://static.wixstatic.com/media/1088f4_543e300ec3ee4ed4979d2cc710b2db21~mv2.jpg/v1/fill/w_147,h_90,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/1088f4_543e300ec3ee4ed4979d2cc710b2db21~mv2.jpg)
主に使用する道具は「木工用ボンド」「綿棒」「和紙」「こて」の4点で、
ボンドは水に溶かして使用します。
破れた箇所にのりしろが残っている場合は、のりしろ部分にボンドを塗って貼り合わせておき、乾くまで待てば終了。折れ曲がりはボンドが乾いたのちに柔らかい布をカバーの上に敷いて、こて(アイロン)を低~中ぐらいの温度にしてあてればOK。
破れ跡は残るものの、通読には問題ない程度にはなりました。
![](https://static.wixstatic.com/media/1088f4_75cffa6f8e8a48e197c341e91749f668~mv2.jpg/v1/fill/w_147,h_77,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/1088f4_75cffa6f8e8a48e197c341e91749f668~mv2.jpg)
![](https://static.wixstatic.com/media/1088f4_e09cfa4d15bd422d8c55a574a5fe7ac6~mv2.jpg/v1/fill/w_147,h_90,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/1088f4_e09cfa4d15bd422d8c55a574a5fe7ac6~mv2.jpg)
のりしろがあまり残っていない場合の修復で使用するのは薄い和紙。
まずは破れた箇所をできるだけ綺麗にあわせて、マスキングテープなどで固定。
カバー裏面から破れ箇所をなぞるようにボンドを塗り、破れに合わせて和紙を貼り付け、更に和紙の周辺をボンドを付けた綿棒でなぞって極力境目が目立たないようにして乾かせば終了。
ボンドがすべて乾いたら、最後にカバー全体にあて布をして、こてをかければ作業完了となります。
わかりづらいかもしれませんが、修復後のカバーがこちら↓
![](https://static.wixstatic.com/media/1088f4_ebed02d681e747e3aa6df7bdbeb5aa20~mv2.jpg/v1/fill/w_147,h_110,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/1088f4_ebed02d681e747e3aa6df7bdbeb5aa20~mv2.jpg)
手間のかかる作業ですが、綺麗になると嬉しいものです。
こちらも店頭に並べておりますので、修復跡などに興味がございましたらお手に取ってご覧ください。
追記:修復を施した本に関しては、修復本と明記して格安で販売しております。
知らないうちに修復本を掴まされた!というようなことはございませんので、ご安心ください。