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  • 執筆者の写真ねこまちや 猫待屋

修復依頼 その2

だいぶ時間が空きましたが、修復作業の続きです。


古い接着剤を剥がし終わったので、次に取り掛かるのは割れた背を繋ぎ合わせる作業。


背の部分を糸でかがっていくのですが、紙自体に劣化も見られるため、これまた慎重さを要する作業です。

割れた部分のみ繋ぎ合わせる、というのは私の技術では難しいので、この際、古くなった糸を全部切って新しい糸でかがることにしました。作業中の画像は無いため説明のみですが、作業としては針に糸を通して、紙を破らないように頁と頁を綴じつつ、割れた部分がうまく合わさるようにほどよく締めていく、の繰り返しです。

これまた集中力を要する作業であります。

慎重に作業を進めて、なんとか完成した画像が左のものです。ここから更に次の作業。

本の表紙と中身を接着する為の、見返し、と呼ばれる紙を本体につけていきます。



表紙との色味のバランスも考えて選んだのは薄紫色。

こちらを本体の裏表どちらにも接着し、更に背を固めるために寒冷紗を背の部分に貼り付けます。

この作業が完了したら、次は花布(はなぎれ)というものを取り付けます。







花布というのは左の画像のように

背の部分の上下についている布のことです。

かつては本を丈夫にするためのものだったようですが、現在の主な目的は装飾用とのことなので、こちらも表紙や見返し紙とのバランスを考えて布を選んでおります。


ここまででようやく、中身の作業は完了。


次回はいよいよ表紙の取り付けについて書きたいと思います。




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